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雑誌relaxをコンプリートしていく過程で自分の神経質さに気づく

雑誌relaxをコンプリートしていく過程で自分の神経質さに気づく

どうも!稲垣です。こだわり記事シリーズ、わたくしは4回目でございます。

前回の記事で、自分にどういうこだわりがあるか傾向が見えてきて、「どうやら買ったものに何かしら自分の手を加えていったものに愛着を持ち、それをこだわりに無理やり変換してこの記事シリーズを書いている」という話を書かせていただいたんですが。

今回は、買ったものに手を加えてはいないけれども、買っていく中で自分の性格が見えてきて、愛着が沸いたものをご紹介できればと思います!

みなさんは“relax”という雑誌をご存知でしょうか?(記事の本筋的にはrelaxをご存じなくても問題ございません!)

relaxはもう廃刊してしまった、20年ほど前の雑誌で、自分は高校生のときに地元のローカル本屋「丸文」で陳列されているのをきっかけに知りました。(当然、丸文のこともご存じなくて問題ございません)

自分が初めて手に取ったrelaxである2003年4月号。KAWSとコロコロコミックという謎ながら自分には両方興味のある組み合わせだったからか

relaxがどんな雑誌かをChatGPTにも聞いたりしながらめちゃくちゃ雑にご紹介しますと、90~00年代サブカルチャー(ストリートファッション、音楽、アート、ライフスタイルなど)を日本国内外のアーティストやデザイナーたちとのコラボなどを取り入れながらも、気の抜けた感じで紹介してくれており、エアマックスや裏原などの流れでゴリゴリのファッションバブル?だった中で、それを沸かせる感じで作られた他の雑誌とは一線を画している存在でした。

愛知県の田舎に住む高校生だった自分は、名古屋や東京、大阪にあこがれながらファッション誌やカルチャー誌などもよく読んでいましたが、relaxはそれらの中でもさらにもう一歩背伸びができる感覚を持てる雑誌でした。尖っているのともまた違う、他と勝負してる感じがしないのがよくてですね。

ちなみにどのくらい気の抜けた感じというか、他の雑誌と違ってる感じかを、分かりやすい号でお見せしたいと思います。

relax 2002年2月号の表紙です

この号は好きすぎて今でも2冊持ってますし、これとは別で2人の友達に1冊ずつあげました。(「うれしい!」と言ってくれてましたが本当に喜んでいたかは不明)

表紙の折り返し部分です

まあここまでだと他にもあるかもしれない、かっこよさげな見開きの表紙です。

表紙の裏です

3面ありますが、表紙は右2面の裏側部分です。アート作品のみ。なんと文字ゼロ。この時点でまあまあのインパクトです。

次の見開きです

特集のコピーとアート作品のアーティスト名のみ。

さらに次の見開き
その次の見開き

スゲー!雑誌として、普通ゴリゴリに広告単価を高く取れるページでここまでやる!?(広告もお仕事にしている人の観点として当然気になる)

そしてなんとまだまだこれが続きます。自分は以前にもこの構成で度肝を抜かれたはずなんですが、今回も写真を撮っててこのあたりで笑いました。やっぱすげーなと。こんなページ構成が企画として通るなんて、仮に紙が強かった時代でも信じられません。

抽象度がかなり高いページもありつつ文字ゼロ。

そしてまだ終わりません。ぶっちゃけ今回、このあたりから写真を撮ることが面倒になってきました。。

そして最後の写真でついに目次に到着。左ページにようやくSupremeの広告が入っています。(右ページの目次はまだ作品の一部を使ってますね)

こんな感じの雑誌です。伝わるんでしょうかですし、伝え方も間違ってる気がします。

まあいいんです。みなさんにもこんな風に、心を動かされた雑誌があるのではないでしょうか?そしてそんな雑誌を集めようとしたこともあるのではないでしょうか?ということを言いたいのです。

※ちなみにこの作品のアーティストであるクラウス・フスマンはこれをきっかけに覚えて、ずっと気にしていたものの、作品がなかなか見つからない系の人だったんですが、つい先日、ヴィンテージポスター専門店に入荷しているのを発見してテンション上がりました!

「自分はこんな雑誌が好き!」だったらまあよくある話なので、ここから自分のこともふまえて書いていきたいと思います。

社会人になって古本屋でrelaxを見かけたことで、自分の性格にスイッチが入る

その当時、relaxを熱心に毎月買うような感じでもなかったんですが、relaxにそそのかされたこともあってか、都会にあこがれて故郷を離れ、横浜の大学を経由して東京で社会人になり、東横線の学芸大学駅にある会社に就職しました。

学芸大学はいい街で(住みたい)、街の中にはいい感じの古本屋さんもあったんですよね。(特に流浪堂さんが好きでした)

それらの古本屋さんの店頭によく置いてあったのがrelaxのバックナンバーでした。そこで気になる特集やいい感じの表紙のものを1冊、また1冊、時には何冊かまとめて買っていくうちに、最初は健全なモチベーションだったんですが、ふと気づきました。

「家で並べていると、なんだか買ってない号があること(虫食い状態)が気になって仕方ない、、!」
「たとえ興味がない内容だとしても、揃ってない方がストレスだな。。」

ということに。(神経質)

「もはやコンプリートする以外はありえない」

そして出先で見かけた古本屋に無理やり寄っては、relaxのバックナンバーを漁り(カルチャー寄りの古本屋にはだいたいrelaxを置いてある棚があるんです)、穴となっている号を埋めていく業務がスタートしました。

うっすらした本棚の記憶で買っているので、時には間違えてダブって買ってしまったり。

ダブり。その後、買ってない号のリスト管理をするようになりました

時には、買ったものの、おまけのステッカーがついてないことにやはり納得がいかず、もう一冊買ったり。(20年前の古本なので、おまけまでついている完品はなかなか出てこないんですよ。。)

おそらく10年以上かけて少しずつバックナンバーを集めていきながら、最近では(探して店頭で出会うロマンを考えると味気ないですが)メルカリなんていう文明の利器も出てきてしまって、気軽に探すこともできちゃったりしちゃって、なかなか見つからない号がさらっと手に入ったり(定価以上のプレ値ですが)で、ついに2~3年前にコンプリートすることができました!

特にお気に入りの編集長(岡本仁さん)時代のrelax計57冊コンプリート!他の時期は装丁や表紙の質感も異なってなんか違う
読むことはほぼないので、奥さんに怪訝そうな顔で見られながら気づかないフリをして押し入れに保管。背表紙の気の抜けたコピーが並んでいるのも壮観

最後の方はもはや本の内容が読みたいというよりは、揃えることが目的となってしまっていましたが(製作の方に失礼)、ようやく自分の中で納得がいくコレクションとなりました~!すっきりした!!

最近では、当時出ていた別冊などの存在にも気づいたり、おまけでついていたCDにも手を伸ばしています。(これがまた本誌以上になかなか出てこないんですわ)

relaxといえば渋谷直角さんの文章!という直角さん編集の別冊的なrelucks
APEの音楽への関わりの一部が見えたり、須永辰緒さんやUnited Future Organizationなど、後から別で知ったこんなところとその当時から密に繋がっていたのか~という感動(時代を感じる8cmCD)

ということで、いったん本誌はコンプリートしながらも、周辺も掘れば掘るほど楽しそうなので、まだまだrelaxなんぞできずに、血眼になってストレスをためながら関連のものを収集してしまいそうです。製作のみなさんは誰もそんなこと望んでなさそうな気がしますね~~~

でも自分としては、集めたものが納得した状態でずらりと並んでいるのを眺めるときの高揚感は、他には変えられないものがあるんですよね!

この神経質さを仕事にも何かしらの形で活かせるといいなと思いますし、活かせていると信じたいんですがいかがでしょう。

以上、稲垣でした。

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