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歯科医院ポータルサイトの費用対効果を考える

歯科医院ポータルサイトの費用対効果を考える

サンクレイオ翼株式会社の稲垣と申します。

弊社では歯科医院様のサイトを複数運用しておりまして、その中でよくご相談いただく内容をこの中でご紹介します。

今回のテーマは「歯科情報ポータルサイトの費用対効果を考える」です。

先生がたからよく「こんな業者から売り込みが来たんだけど稲垣さんはどう思う?」というご相談を受けます。

その中でも一番よく聞くのが歯科情報ポータルサイトです。
わかりやすいところだと『EPARK歯科』や『ドクターズ・ファイル』などでしょうか。

歯科業界で名前をよく聞く、Google検索でも必ず上位に出てくるサイト。
そのサイトに掲載しませんか?掲載は無料です。SEOにも効きますよ。という内容のものです。

これを先生がお聞きになったとき、どのように掲載可否の判断をすればよいでしょうか。

ポータルサイトがいいとか悪いとか言いたいのではなく、判断基準があればどんな営業が来ても適切に判断がつきやすくなると思いますので、ウェブマーケティングやポータルサイトを運営する会社の視点をふまえて解説できればと思います。

まず費用対効果より大事なことをお伝えしたい

”費用対効果を考える”と書いておいて、費用対効果より大事なことから書き始めるのも本末転倒感全開ですが、実際に費用対効果にもつながる非常に重要なところからご説明できればと思います。

説明にあたって、まず質問です。

そのポータルサイトはずっと残るでしょうか?

ずっと集客力は落ちないでしょうか?

ポータルサイトの目的は何でしょうか?

ポータルサイトは会社がビジネスとして運営をしています。
ビジネスが立ち行かなくなれば、サイトを閉じることになります。ビジネスは続いたとしても、その他の事業に注力していくかもしれません。

要はその会社のさじ加減に振り回されることになる、ということです。

わかりやすい例として、mixiやfacebookを考えてみましょう。
これらのサイトは自分のページが持てて、その中に自分の情報を書き込んでいきます。この構造はポータルサイトに自分の医院の情報を載せていくのと同じです。

mixiやfacebookに何が起こったでしょうか。
mixiが流行した後にはtwitterやfacebookが流行り、その後にはinstagramやtik tokなどが流行り、というように次々に新しいサービスができました。
例えばmixiはその流れの中で、mixiのサービス自体からゲーム系のサービスに軸を移しました。

ポータルサイトも同じで、日々新しいサイトができ、会社が上を目指します。そして消えていきます。

その際に、自分がそのポータルサイトに蓄積していた情報はどうなるでしょうか。

消えます。

貯めていた情報がすべて無に帰すのです。サイトが消えなくとも、mixiを見る人がピーク時に比べて激減したのと同じように、ほぼ誰も見ることのない情報として、価値をなさなくなるでしょう。

そこにつぎ込んだ労力は泡のように消えていってしまいます。
ポータルサイトで言えば、営業を受けた時間、取材時間、原稿の確認、その後の更新のやりとり。

たとえ無料掲載であっても、先生自身の人件費は飛んでいきます。
その時間を治療にあてていれば、いくらの売上になるでしょうか。

または、その時間を自分の医院のサイトの更新に費やしていたらどうでしょうか。先生がご自身の医院のサイトを閉じない限りは、その情報は残り続け、機能し続けます。

ポータルサイトからの問い合わせ数やそこからの契約数、売上や粗利などと掲載料を比較して費用対効果を考える前に、そもそも情報が消えてしまうリスクがあるのではないか?という点を問うことをおすすめします。

現時点でご自身の医院のサイトをお持ちでない先生がたも「サイトがないから、まずはポータルサイトに載せてみるか」と考えるのではなく、長期的な視点で見たときに「情報を蓄積していく場所はそこでいいのか?」という部分を考えていただく方がいいでしょう。

知人の先生がポータルサイトを使っていて問い合わせがたくさん来ていると聞いたとしても、問うことは同じです。

ポータルサイトの費用対効果を考えるとしたら・・・

ポータルサイトの費用対効果を考えるとしたら

①掲載費などの費用と②ポータルサイト経由での売上を比較することになるでしょう。

①は最初は「無料ですよ」という宣伝文句の中で展開され、「無料なら」ということで掲載を決める先生もいらっしゃいますが、そこが落とし穴です。

無料掲載をする歯科医院が増えるとどうなるでしょうか?

例えば横浜で歯科医院をやっているとします。

ポータルサイトに無料掲載している歯科医院が20医院まで増えてきたらどうでしょう。自分の医院は埋もれていきます。その中で目立つには??広告です。

「横浜のカテゴリーで上位掲載するには月に3万円です」

という営業トークが来るでしょう。

無料であったはずのポータルサイトに広告費を払って、20医院の中の上位にしてもらう、ということが必要になります。一回払うだけならいいですが、これが毎月なのがややこしいのです。

ポータルサイトを運営している側もビジネスです。最後まで無料、というのは不可能で、どこかでビジネスにしなくてはいけません。その部分までふまえて検討された方がよいでしょう。

さらには、「問い合わせが入ったら1件あたり○○○○円となります。」というパターンでも費用が発生するかもしれません。集客をそのポータルサイトに頼っている状態ができあがっていたら、その費用を払わざるをえない状況になってしまっているでしょう。

「じゃあ歯科医院の掲載数が増えなければ無料でいいんじゃないの?」と思われるかもしれません。掲載数が増えなければどうなるか。サイト自体がなくなるか放置されるでしょう。

ポータルサイトは掲載数が増えなければ商売になりません。広告主がいないんですから。その瞬間にそのポータルサイトの運営会社がその事業を手放し、サイトへのアクセス増加はなくなります。つまり、掲載していても意味がない状態になります。

そのとき先生はどうでしょう。損がないかのように思いますがそれまで掲載などのやりとりをした時間がすべて無駄になってしまうのです。

②のポータルサイト経由での売上についても考えてみましょう。

ポータルサイト経由での予約はすぐに売上に繋がるわけではありません。

問い合わせがあり、予約を入れて、来院されて治療をして初めて売上となります。予約が入らない、予約したがキャンセルになった、などの可能性もふまえて費用対効果を計算しなくてはなりません。

計算式としては

問い合わせ数 × 予約率 × 来院率 × 治療単価 = 売上

となります。

※自費治療の場合などは料金を提案して契約するかどうかもあるのでさらに契約率という係数も必要でしょう

仮に、問い合わせ後に予約してくれる患者さん(予約率)が8割、

ドタキャンせずに来院してくれる患者さん(来院率)が8割、

仮に自費治療として、契約率が2割だとすると、

この時点で1件の問い合わせは1割程度、0.1件分程度まで目減りします。

一ヶ月の数字がいくらくらいになりそうか、その金額が掲載費用に見合うものか、を検討した方がよいでしょう。

費用対効果はマイナスでも投資するときはあるが・・・

ポータルサイトについて厳し目の視点から書いてきましたが、費用対効果の検討の際は、収支がもちろんプラスになる方がよいですが、必ずしもプラスでなくてはならない、ということはありません。

例えば短期的に問い合わせを増加させたいときなどは費用対効果うんぬんの前に、問い合わせ数を増やすために広告を出すはずです。

これはポータルサイトに限った話ではなく、リスティング広告など、その他の広告施策についても同じことが言えるでしょう。

ただし、個人的な意見としては、ポータルサイトにかけるお金の優先度は、リスティング広告や、サイトのリニューアルや修正などの費用よりも圧倒的に低いとは思いますが。

他のさまざまな施策をやり尽くして、それでもまだ拡大したいのでポータルサイトに費用をかける、という歯科医院さんはごく一握りのはずです。

「うちはすでにポータルサイトに有料で掲載してるんだけど、他にやるべき広告があるのか?」と思った先生は、ぜひ提案の場をいただきたいのでご相談ください。

現時点で営業を受けており、どうしようか迷っていて、外部の視点からちょっとしたアドバイスをもらいたい、というような場合でもお気軽にご相談いただければと思います。

弊社では多くの歯科医院さんのホームページ、治療専門サイト制作・運用~集客をサポートしており、問い合わせ、契約の増加に貢献いたします。

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