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次亜塩素酸水の噴霧を歯科医院で導入すべきか?それをホームページに記載すべきか?
コロナ禍で話題に出てくることが多くなった”次亜塩素酸”。
※次亜塩素酸水や次亜塩素酸ナトリウム水溶液などがあると思いますが、この記事ではまとめて次亜塩素酸と記載します。そのようにまとめるのが雑であることは理解しつつ
「次亜塩素酸の噴霧で院内を空間除菌しております」という形で、院内の安全性を訴えかける歯科医院さんも多かったと思います。
今回の記事では、歯科医院で次亜塩素酸を噴霧することと、それをホームページで記載すべきかどうかについて、わたくし自身の意見を記載できればと思います。
まずはじめに大前提として、わたくし自身は次亜塩素酸などについて詳しいわけではありません。(大学は工学部出身ではありますが、素人と言っていいでしょう)
ですので、この記事は次亜塩素酸の噴霧による除菌効果がある・ない、人体への影響がある・ないについての正解をお伝えする内容ではない点、ご注意ください。
世間で出回っている次亜塩素酸についてのニュース
わたくし自身の素人視点で次亜塩素酸についてのニュースを見ていると、例えば5月末にNHKのこちらのニュースがありました。
文中で
・次亜塩素酸の噴霧による効果には有効性が確認されていないこと
・消毒液の噴霧は推奨されていないこと
などがあげられています。
ちょうど昨日、専門家の方の記事でも
・「消毒薬」をミスト状にして空間に噴霧することの
安全性は確認されていない
・ 「消毒薬」をミスト状にして空間に噴霧することでの
新型コロナウイルスSARS-CoV-2 の感染対策としての
有効性は確認されていない
・よって、これらの検証がなされ、どちらもが確認されるまでは「消毒薬の空間噴霧」は行ってはいけない。
との記載がされていました。
これらの記事で共通しているのは
・まだわかっていないことが多い
・だから使わない方が賢明である
ということです。
だからといって、わたくしが個々の医院さんに言いたいのは「次亜塩素酸の噴霧はやめておいた方がいいのではないでしょうか」ということでもありません。
お伝えしたいことはいつも同じで、患者さんの心理をいつも考えようということ
「どう思いますか?」と聞かれれば「状況的にはやめておいた方がいいとは思います」とお伝えしますが、もちろん最終的には先生のご判断で、ということになるでしょう。
今回、わたくしが伝えたいのは「この状況で患者さんが次亜塩素酸についてどのように感じているかを考えてみましょう」ということです。
・ニュースでは上述のような内容が出回っている
・SNSでも専門家や素人、少し素人に毛が生えたような人など、さまざまな人が次亜塩素酸の効果がある!とかない!とかそれぞれが違うことを言っている(社内のスタッフから「こういう内容をtwitterで見ましたよ~」と教えてもらったりしました)
要は、どれを信じてよいのか、素人としては判断できないのが実情ではないでしょうか。そして「どうしたらいいんだろう」という漠然とした不安を持っている状態です。
患者さんが”次亜塩素酸について漠然とした不安がある状態”のときに、歯科医院としてはどのような対応をするのがいいでしょうか?
歯科医院を探している患者さん視点で具体的に考えてみましょう
新規の患者さんが歯科医院をネットで探しています。
2つの歯科医院が候補に残っていて、片方の医院は「次亜塩素酸の噴霧をしています」とうたっており、もう片方は次亜塩素酸についての記載はありません。
今の状況の中で、先生が患者さんの立場(素人)だったらどちらを選ぶでしょうか?
仮に先生の中での絶対的な正解が「次亜塩素酸は噴霧すべき」というものであっても、患者さんからすると「よくわからないから次亜塩素酸を噴霧している医院に行くのはやめておこう」というのが正解になるかもしれません。
「次亜塩素酸は安全だから来院してください!」というブログを書いたとしても、なかなか納得をしてもらうことは難しいのではないかと個人的には思います。(論理というよりは感情の問題ですので)
「正解を出す」ということよりも「患者さんの反応を想像して対応を変える」ということが正解になるのだと思います。
患者さん側の立場になることはいつも大事
患者さん側の立場になって考えることは、今回のことに限らず重要です。
言うまでもないですが普段の診療の際もそうですし、例えばブログで発信するときも同じです。
患者さんが何を知りたいのか、先生のブログの文章をどのように受け取るのか、その結果どのように行動するのか、という想像力を働かせることが重要です。
先生が伝えたいことを発信の軸にするのは大前提として大事ですが、受け取る側の状況を考えながらその軸を発信できるとより一層伝わる、そして、相手が動く内容になるはずです。
次亜塩素酸についても、患者さんの視点で見ながら先生なりの正解を出していただくことが、わたくしの立場からお伝えできる”正解”です。
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