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「はじめての春画講座」に潜入してみた!体験レポート
はじめまして、ブラウニーの山下と申します。年齢はヒミツですが、声の大きいアラフィフです。
普段は、ブラウニーという部署で、映画や映像の宣伝、パブリシティというお仕事をしています。
映画や映像作品を、マスコミの皆さんに売り込み、メディア(雑誌やWEBニュース、テレビの情報番組)などでご紹介いただく…メディアを通して一般のお客様へ作品を届け、映画館へ足を運んでもらうまでの・・・いわゆる【橋渡し的なお仕事】をしています。メディアの皆さんを相手にした営業ですかね。
10月13日より全国公開中の映画『春画先生』(配給:ハピネットファントム・スタジオ)も、そんなブラウニーが参加させていただいた作品のひとつ。もし今回のブログをご覧になって少しでもご興味がわきましたら、ぜひ劇場へ足をお運びいただけると嬉しいです。
今回、少し前になりますが、公開直前の10月10日に、朝日カルチャーセンターにて開催された「はじめての春画講座」に、受講生として参加してきましたので、少しレポートさせていただきます。
皆さんは、春画について、どのくらいご存じでしょうか。
私は、一応、美術大学(東京造形大学)を卒業しているのですが…映画や映画史のことばかり勉強していたこともあり、正直、春画の知識はほとんどありませんでした。『春画先生』をきっかけに初めて知ることばかりで…美術大学出身を名乗るのもお恥ずかしい…笑
春画とは、肉筆や木版画で描かれ、平安時代からはじまり江戸自時代の木版技術の発達で全盛を迎えた、人間の性的な交わりを描いた画のこと。喜多川歌麿、葛飾北斎など、著名な浮世絵師のほとんどが春画を手掛け、江戸幕府から禁止された禁制品で表に出なかったからこそ、自由な創作が可能となり、とどまることを知らぬ芸術の域に達し、庶民から大名までを虜にした真の江戸時代のエンターテイメントだった、とのこと。
『春画先生』は、現代を舞台に、そうした春画の奥深い魅力に取りつかれた春画研究者・一郎(内野聖陽)と、彼と出会い、春画にどっぷりとハマってしまう弟子・弓子(北香那)との師弟コンビが繰り広げる、春画愛をコミカルに描いた作品です。この他、(ブラウニーが担当している作品ではないのですが)同じ春画を扱ったドキュメンタリー映画『春の画』が11月24日より公開、さらに銀座のギャラリーアートハウスでは「銀座の小さな春画展」が開催中など、今年は春画に関するイベントが目白押しです。
私も、春画に触れる機会が増えたことで、興味がわき楽しくなってきたタチなので、今回の「はじめての春画講座」は初心者の私にはぴったり!ワクワクしながら、でも内心少し緊張しながら会場を訪れました。
一緒に参加したのは、同じ会社のWEBチームに所属するainai君。20代男子の彼は、普段WEBの仕事をしながらイラストを描く仕事もしているため、春画の世界に興味があるとのことだったので誘ってみました。
参加人数はそこまで多くはなかったのですが20名ほど。中高年の男性が多く、浮世絵や春画についてもある程度知っている感じ。その他、ainai君のような若い男性や、女性もちらほら。ぎゅうぎゅうの教室で、新参者を受け付けない雰囲気だと緊張してしまうと思っていた私にとっては、ちょうどいい感じでした。
「初めての春画講座」の講師は、春画―ルさんと、映画プロデューサーの小室直子さんのふたり。春画―ルさんは、葛飾北斎の「蛸と海女」で春画に目覚め、市井の春画ウォッチャーの視線で、春画の魅力や楽しみ方を模索し発信している方。小室さんは、『春画先生』のほか先程のドキュメンタリー映画『春の画』を手掛けていたプロデューサーです。
春画―ルさんは普段はOLをされていて、推しは絵師。古典や日本史が好きだったわけでもない彼女が「現代人が見る春画」をコンセプトに、身の丈に合った春画の愉しみ方、国内外への発信を続けています。とてもフランクで、ラフな感じでお話を始めたので正直ビックリ!いい意味で、オタク的な語り口がすごく楽しく、笑っちゃいました!
ご自身のコレクションの中から、お気に入りの春画をスクリーンに投影しながら「この春画、凄くないですか⁉」「この画、めちゃくちゃ、狂ってますよね?笑」といった感じで、【推しの一枚】をものすごい熱量で解説してくれます。このオタクモード全開の感じが、私が少し構えていた【ちょっと固い感じ】【難しい授業】といったイメージを払拭し、春画はとても身近で、楽しむものと教えてくれて、もの凄くハードルを下げてくれました。
さらに、絶妙なタイミングで小室プロデューサーもトークに参加。春画-ルさんの熱量のあるお話をフォローする形で、春画が大衆へ普及した江戸時代の背景や、絵師の技術の凄さなどを解説。このふたりの止まらない、軽妙な語り口に、我々受講生も、笑ったり、メモを取ったり、うなずいたりと大忙しでした!
会場のスクリーンに写し出される春画の細部や、たまに春画―ルさんが感情を込めて読んでくれる(画と一緒に書かれている)詞書(ことばがき)の内容については、なかなか刺激的過ぎて触れづらいのですが(笑)・・・私が、ここに写し出される春画の世界から感じ取れたことは、春画に描かれた人たち、そして当時その春画を読んでいた人たちもまた、とてもオープンで、進んでいて、ユーモアのセンスや笑いに富んでいたこと。今ほど情報は少なくとも、今とあまり変わらない、いや進んでいたのかも?といったことでした。そして、私自身も、この講座を受ける前と後では、春画に対するイメージや、捉え方がずいぶんと変わったことに気づきました。
同席したainai君も、とても感化されたようで…講座後に行った居酒屋では、普段より強い口調で、春画について語りあう夜になりました!
最後に『春画先生』についても少し宣伝を。劇中には、実際の春画が数多く登場し、単なる設定にとどまらず、その春画を巡る男女の物語に大きく絡んできます。春画を知っている人だけでなく、むしろ春画を詳しく知らない人こそ、この映画をきっかけに、春画の持つ奥深さ、魅力的な世界観を知るきっかけになると思いますので、ぜひ劇場へお越しくださいませ。