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身に至高の嗜好品を身につける高揚感は何ものにも代え難し。J.AUGUR DESIGN―WRIST BAND
あれが欲しい、これを探している、という類いではなく、なんかいいもん、無いかなぁ~?ぐらいでショッピングに出かける。もちろん、無いなぁ〜、で終わる時も多々あり。
群馬県高崎にある古着屋に、ツーリングがてらに行くときは、だいたいはそんな感じだ。
店内をブラブラ物色していると、あ,そういえば欲しかった⁉︎ で、思い出したのは、リストバンド。この機会に探してみますか。
インディアンジュエリーの施しがあるので良さそうなのはどれどれ、と棚をのぞき込んでみる。まぁ、実際につけてみないとよーわからん。
でも、鍵のついている棚をわざわざ開けてもらって、やっぱり買わないって、申し訳ない気持ちが先走って、スタッフに声をかけられません。その辺、スタッフさんの気持ちは実際、どうなんだろうね?
おっさんがウジウジしててもキモいので、あのーすみません、これつけてみたいんですけど~とファースト声掛け。と、あ、コレもいいですか? ってなる。なんでも、最初は躊躇するけど、それを超えると図々しくなるものですね。
色々つけてみるが、似合っているのか、似合っていないのか、さっぱりわからん。稀少性や模様の説明などを聞いても、やっぱよくわからん。
まぁ、それほど欲しいってわけでもなかったから今回はごめんなさいにしよかと思っていたら、シルバーのブレスレット群に交じって黒(茶?)革の古ぼけたバンドが目に入った。
飾り? オブジェ? って思ってたら値札が付いとる。
「これ、売り物ですか?」
「はい」
「へぇ~、そうですか、雰囲気ありますね~」
「あ、これは何だっけ? ちょっと待っててください」でスタコラ…。
で、古株らしきスタッフの兄ィやんが出て来て
「これは、ウェンディ?×●?%のですね。ウチの店に入ってくるのも珍しいんですよ」
「ふーん、つけていいですか」
で、つけてみた。
まぁ~~、ビビっと来ましたわ。
カッコいい! 少し古ぼけているので、地味だが、存在感が半端ない!
「これメチャメチャカッコいいですね。メチャメチャ存在感があるけど、ずっと前からつけてました、の馴染んでる感が良い! これって新品ですか?」
「そうなんですよ、ウェンディ?×●?%は、ラルフローレンやRRLから制作依頼を受けてバッグなどを作っているブランドで、ヴィンテージ風の施しが上手いんですよね。あれ? ウェンディ?×●?%はもう死んでたっけ? 生きてるとは思いますけど、あんまり手に入んないっすね」
はい、即買いしました!
店を後にして、高崎と言えばパスタ。なので、遅いランチをパスタ屋さんで。
注文を待ちながら手に入れたばかりのバンドをマジマジと眺めていた。
嗚呼、この鉄の部分がいいんだなぁ~
なになに? この青くなっているのは錆?
革は黒、だけど文字が彫ってあるところが茶色、茶芯やな、これは。
留め具も錆びとるのか錆加工なのか、どっちだ?
裏のブランドロゴのレタリングも昔っぽくてカッコいい。
見れば見るほど、いろんな発見があって、面白い!
そう、カッコいいだけじゃない、面白いんや、この一品は!
ず~~っと見てられる。
似た感じだと……日本の陶器を眺めて触っているのにそっくりだ。
マジマジと見て、角度を変えて見て、その都度、表情が変わる。
触り心地を味わい、愉しめるのも嬉しい。
何ちゅうブランドだっけ? 店員さんは女性の名前を言っていたようだったけど。
ロゴも見ても、ウエンディ・ナンチャラとは書いていない。
バンドの裏側の文字“J.AUGUR”をまんま入れてみる。不安だったので、”ラルフローレン バッグ”も一緒に入れて検索。
ブランドの名前はJ.AUGUR DESIGN(ジュディオーガーデザイン)。ウエンディではなく、ジュディさんでした。
アメリカのカリフォルニア州を拠点にジュディオーガー氏が2004年にスタートさせたブランド、全ての工程をハンドメイドで1点1点丁寧に制作しているとのこと。
彼女は結構、こだわりやさんらしく、バッグから財布、アクセサリーに至るまで、オールハンドメイド。アトリエは少人数体制で、ジュディさん自身が制作の全工程に関わるという徹底ぶり。
アメリカ先住民の伝統工芸品であるラグ、ミリタリーやデニムなど過去に生産されたヴィンテージ生地と、レザーやシルバーなどを組み合わせる。まさに素材や時代、テイストが異なるもののミクスカルチャー。
そしてダメージやリペア、汚れもデザインに落とし込んでいる。それもハンドメイドなので、それこそ世界にひとつだけの作品なのだ。
と、まぁ調べれば調べるほど、アートの領域ですね。
このリストバンド、気に入り過ぎで、夏の間、つけ過ぎてしまって、鉄と革のつなぎ目が少しひび割れてきました。めちゃめちゃ焦った(((( ;゚д゚)))アワワワワ
メチャメチャ大事にしていきたいので、だいぶペースを落として付けてます。
付けた瞬間、手首からビビッとテンションぶち上がる! そんな一品。