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オオカミの足跡に憧れて。20年愛着を持てるシャツに出会った

オオカミの足跡に憧れて。20年愛着を持てるシャツに出会った

「仕事ほどほど趣味ホンキ! 僕らのこだわリズム」の連載がスタートし、第3回目です。今回は大場のこだわりアイテムを紹介します。

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Jack Wolfskin(ジャック・ウルフスキン)のコットンシャツ

1990年代中〜後半のアウトドアブームでは、トレッキングギアからタウンユーズまでグレゴリー、ザ・ノース・フェイス、L.L.ビーン、パタゴニアなどなど、海外ブランドが次々と日本で販売・展開された。

当時、学生〜新米社会人だった自分もシェルパ斉藤気取りでトレッキングを楽しむなかで自然とお気に入りの“こだわりブランド”にバイト代や安月給を投じていた。キャンプ道具であればスノー・ピーク(これは新潟ブランドだけど)。バック&アウター類であればジャック・ウルフスキン。オオカミの足跡の“ポー・マーク”でおなじみドイツ発祥のブランド。

よく訊かれるけど、ネコじゃないよ。

そのジャック・ウルフスキンのシャツの同じものを、日常使いで20年近く着続けている。

確か、それこそ「日常で着るジャック・ウルフスキンが欲しい」と思って、当時輸入代理店だったキャラバン直営店で購入した。9,800円くらいだったと思う。とにかくコットンの肌触りが良く皺になりにくい。ラフでありながらグレーの落ち着いた色合いに、20代の自分は「ちょっと大人な雰囲気」も抱いていたようにも思う。

購入の決め手は2つ。まず捲った袖をポタんで固定できる機能性だった。この目新しさにさほどオシャレ服を購入する機会のなかったからか、猛烈に惹かれた。実際この機能は寒暖の差が激しいこの時期、本当に重宝する。

次に、いま思えば中二的な感じだけど、“MADE in TURKEY”製という聞きなれない生産国表記。ドイツじゃないの?と思いながら、よく見たらトルコ製とのこと。その頃、沢木幸太郎の「深夜特急」に夢中になっていた自分には、この東洋と西洋の間(あわい)からやってきたシャツという存在に、静かな興奮を覚えたはず。

着倒し過ぎず、大事に洗って、着続けて、タグもボロボロだけど、それでも愛着は20年以上変わらない。自然に、日常的に、こだわりを着続けていたのかなと気づかされた、ある秋の日。

【著者プロフィール】
大場 徹

部署|ファクトリアル部
職業|編集者・バーサーカー
趣味|寺社巡り・人理修復
装備|メガネ・黒聖杯

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