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映画宣伝業界35年の阿部善朗がまさかのトークショー・ゲストとして初登壇!映画『アメリ』イベントレポートが到着!

映画宣伝業界35年の阿部善朗がまさかのトークショー・ゲストとして初登壇!映画『アメリ』イベントレポートが到着!

 本日3月29日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷にて、ニューセレクト株式会社の映画配給レーベル「アルバトロス・フィルム」が35周年を記念して「アルバトロス・フィルムフェスティバル」を開催いたしました。

初日となる本日は、観る人みんなが幸せになる!数々の歴史を塗り替えた不朽の名作「アメリ デジタル・リマスター版」(2001年11月17日日本公開)を上映しトークショーを開催いたしました。

登壇したのは、サンクレイオ翼株式会社内にある映画宣伝部署・ブラウニーの阿部喜朗(映画バカ)とニューセレクト株式会社の代表取締役 吉原豊。「アメリ」の買い付け秘話からDVDなどパッケージのことなどを語りました。

登壇し、まずは自己紹介とお集まりいただいた感謝を述べ、吉原より「阿部さんは当時アルバトロスにで「アメリ」のパブリシティをやっていて、叶井さんが宣伝プロデューサーで今日は代役での登壇です」と先月逝去された映画宣伝プロデューサーの叶井俊太郎氏が登壇するはずだったことを明かしトークショーは始まりました。

トーク中の吉原(左)、阿部(右)

阿部はアルバトロスには6年前後在籍し「叶井から手伝ってほしい!と言われ入社して、最初は『奇人たちの晩餐会』をやっていました」とアルバトロスへの在籍の経緯を話し「アメリ」も最初から関わっていたことをコメントしました。

「当初、「アメリ」は叶井が“女の子が人を喰っちゃうホラー映画”だと思っていて、カンヌ映画祭の打ち合わせの時に叶井が「「アメリ」やろう!」って言ったのが始まりでした。叶井は「何でもやろう」っていう人だったけど」と吉原は約25年前の当時を振り返りました。

吉原は当時、映画のセールス(買い付け)の担当でありながら4年くらい映画のセールスから外れセルDVDの会社を任されおり、ニューセレクトは映画がヒットせずレンタルの売り上げが高いときで、会社の売り上げも上がってきている中、3行程度のプロットだけで「アメリ」の配給権を1億円ちかくの金額で買ったとのこと。

吉原は「叶井に反対したんだけど、上司のHさんが叶井さんに助け舟を出して「これやりたいですね!やりましょうよ」って言って(当時の)社長のSさんが「わかりました。やりましょう」って話で決まりました。ただ、Sさんから「これがこけても会社は大丈夫です」と言われて買ったのが秘話です。1億のギャンブルでした」と当初は反対したことも告白しました。

阿部も「キャストも見た覚えがないし命運を分けました。ジュネ&キャロの映画だからって(ホラーだと)思ったら違った」とコメント。

叶井氏はのちに映画評論家・江戸木純氏と対談した「ビッグヒットは五感でつかめ!」の著書でも「アメリ」の買い付けにも触れているとのことです。

吉原は「叶井が宣伝めちゃくちゃやって、すごいビジュアルだった」と主人公アメリがベットの上にいる赤いイメージが強いポスタービジュアルは日本だけのものであり、本国では緑をベースにしたポスターしかジュネ監督が使用の許可をしていなかったと明かしました。

そんな中、強引に日本独自のポスターを進めていき、映画評論家やマスコミに試写状を出していき「試写状くらいはいいか、クローズドだし既成事実を作っていきました。いい時代だったな」と阿部が回顧しました。

ジュネ監督が来日し、東京渋谷の映画館シネマライズにジュネ監督が来る際には、本国のポスターで壁などを埋めていき、どこかの段階で日本のビジュアルにも許可がでていたと話しました。

吉原から、ポスターでの思い出として「その年のトロント映画祭に行ったときに、ホテルから会場までのあいだにグッズショップがあって、そこにこの(日本独自の赤い)ポスターが売っていて、誰かが日本から送ったりしてたんだね」と秘話がありました。

阿部も当時は「内覧(関係者だけの試写)で編集長レベルの方をよび、フィガロジャポンなどからも評価が良くてパブリシティはたくさん出ていてスタッフは疲弊していたんだよ。でも公開の前日に叶井とスタッフ4人でご飯を食べながら絶対やばいよね、お客さん入らないんじゃないかな。宣伝は出てるけど・・・」と不安があったことを明らかにし、前日までは当たるとは思っていなかったことを告白しました。

公開当時は朝9時くらいにシネマライズに行った阿部は「列がチケット売り場からシネマライズの坂に長くなっていて、チケットが売り止めになった」と嬉しい誤算であり、さらに阿部は「当日の朝、叶井は来ない!寝坊してましたって」と笑いを誘い吉原も「運の引きの強さだよね。そういう人!」と付け加えました。

その後、「アメリ」はシネマライズを筆頭にヒットし全国に広がっていき興行収入は15億を売り上げました。

さらに、ニューセレクト株式会社はアメリの売り上げで銀座のビル(通称・アメリビル)を購入するも隣の建設会社からホテルを建設するため、高額での買収の話が舞い込み、不動産でも功績を残したと秘話もありました。

興行も大ヒットに終わり特典が本国のポスターやオリジナルのグッズなど多くの限定商品がついた「アメリ プレミア・エディション[アメリ缶]」を1万5千個限定でシリアルナンバー付きで発売を開始するも予約の段階で倍の3万もの注文があり、増刷すればいいと思った吉原に「叶井は生真面目だから、それはダメだ!って反対してきて、だけどシリアルナンバーなしで1万5千個は売ることになりました。当日8,800円くらいでにぎやかしで売ってたから、もっと高くしておけばよかった」と悔やんでいました。

シネマライズも「アメリの」の興行によって、当時の記録を更新していったなど思い出話も尽きない中、トークは終了の時間も近づき最後にグッズの告知をしてイベントは幕をおろしました。

グッズには「アルバトロス福袋」と、今までアルバトロスで配給した作品のグッズを寄せ集めた1,000円の福袋や「キラーコンドーム」のTシャツ、アルバトロスTシャツ、昨年話題をよんだ映画『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』のTシャツも35周年にちなんでいまだけ3,500円で販売中とのことです。

4月18日(木)までヒューマントラストシネマ渋谷にて開催中!

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