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ロボット×京都×ダークコメディ「サニー」予告で抱いたケアテック視点の期待

ロボット×京都×ダークコメディ「サニー」予告で抱いたケアテック視点の期待

リアル介護ロボットを想起させる、創作の家庭用ロボット

前回、介護・除菌支援ロボット「アイオロス・ロボット」の原稿を書き始めた直後、7月からApple TV+で「サニー」というドラマを配信、予告編が解禁されたニュースが目に飛び込んできた。



京都に住むアメリカ人の女性スージー役として、ラシダ·ジョーンズが主演を務める『サニー』。ある日、不可解な飛行機事故で夫と息子が消息不明になり、彼女の人生は一転する。「お見舞い」として彼女の元に贈られたのは、夫が勤めていた電子機器メーカーが製造したという新型家庭用ロボット、サニー。彼女の心の隙間を埋めようとするサニーに対し、最初は腹を立てるスージーだったが、やがて思いもよらない友情が生まれることに。スージーの家族に本当は何が起きたのか、暗闇に隠れた真相を一緒に探っていくうちに、2人は知らなかった危険な世界に巻き込まれていく。

サニー — 公式予告編 | Apple TV+

――というダークコメディで、西島秀俊、YOU、國村隼、ジュディ・オングが出演する「A24」製作のドラマだそう。原作は、日本在住のアイルランド人作家コリン・オサリバンの著書「ダーク・マニュアル」。

企業が開発したロボットに、何やらきな臭い秘密が見え隠れする…という展開は、ウィル・スミス主演のSF映画『アイ, ロボット』(04)を想起させるものがある。あの作品、もう20年前になるのか。『ベイマックス』は10周年だし、10年周期で何やらロボットものの注目作が生まれているような…というのは誇張し過ぎか。

「サニー」に抱いた”ひねくれ”視点の大きな期待

予告に登場する新型家庭用ロボット「サニー」のフォルムと構造を見て、一般的な日本人の発想なら「Pepper」を思い浮かべるだろうけど、筆者にはタイミングがタイミングだけに「アイオロス・ロボット」と思いきりダブって見えたのは致し方ない。

デジタルな表情変化、アーム、自走機能…かなり構造が近そう。

そうしたアイオロス・ロボットへのシンクロ感から、よりサニーの(劇中における)スペック・機能への”ひねくれた”期待――「家庭用ロボット」から派生して「介護ロボット」としての性能・特性、その設定や描写に俄然期待が高まった。…そもそも、そんな設定や描写があるのか?という話なのだが。

少なくとも予告を見る限りは、ハグができて、相手に応じた会話が成立して、(自走&アームによる)見守りもできるスペックは十分ありそうだし、どんな+αの機能を用意しているのか、エンターテーメントとして楽しみだ。

アイオロス・ロボットは「パンドラの果実」で”殺人容疑の介護ロボット”役、今回の「サニー」もかわいい表情やしぐさとは別の顔を秘めていそうな雰囲気を予告で醸している。創作の盛り上がり要素としてはもちろんアリだけど、「ロボットって怖い」という印象だけを残すようなダーク・コメディでないことを祈りたい。

きっとそんな不安を超えてくるドラマがあるとは何となく確信しているけど。

「サニー」に感じた”ひねくれ”視点のリスペクト?

実は他にも、ひねくれ視点の「サニー」で気になる描写・設定がある。予告によると、サニーは京都に拠点を置くメーカー”イマテック”の技術者サカモト(西島秀俊)が開発した家庭用ロボットであるらしい。

京都拠点の日本メーカー製のロボット……。ここが、先日紹介したインド映画『ジャパン・ロボット』の設定と面白いくらい似ていたりする。

片やイマテック社のサニー、片やキョウト・ダイナミクス社のクンニャッパン。別にどちらがどうというツッコミではなく、外国人には「日本は京都でロボットを作っている」的な見え方でも沁みついているのだろうか…。おそらくは京都というか近畿圏の大手メーカーの印象が海外でも強いのだろうか…。

そんな”本物”の京都の電子機器メーカー「京セラ」も協働ロボット、自動配送ロボットなどさまざまな場面で活躍するAI×ロボティクスの開発・販売を行っている。

自動配送ロボットは現在、段階的に都市での配送(Uber Eats)などが行われているが、介護の現場でも十分役立つテックである。こうした謎の「京都×ロボット」エンタメが続くなか、いつか京セラが、リアル「サニー」またはリアル「クンニャッパン」を開発したり…ということだって、ない話でもない。

という、よくわからない”ひねくれ”視点で、ケアテックにも思いを馳せつつ「サニー」を楽しみたいもの。…撮影に使われた「サニー」のモデルとか、来日しないのかな。

余談

「サニー」の予告でイマテックの外観として登場するロケ地「国立京都国際会館」は、かつて「ウルトラセブン」の14話「ウルトラ警備隊西へ・前編」にてペダン星人が操るスーパーロボット・キングジョーの襲撃を迎え撃つ防衛センターとして描写された場所。

つくづくロボットに縁のある建物なのか。

社が

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