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「パンドラの果実」ディーン・フジオカと競演した実力派介護ロボット
指先でUV除菌!アメリカから来たロボット
これまで実装されてきたケアテック、中でも介護ロボット領域をあらためてリサーチし、最近気になっていた存在が「アイオロス・ロボット」だ。アメリカのAeolus Robotics Corporationが開発したAI搭載の介護・除菌支援ロボット。日本でも2021年から丸文株式会社が国内セールスを行い、介護現場で活躍している。
コロコロと眼(まなざし)の表示を変化させ感情を表現する目は3Dビジョンにより人や物を認識、より人型ロボットらしいアーム&グリッパーは物を器用につかめるほか、UV照射による除菌作業も可能。この辺りは非常にコロナ禍を意識したものか。
また、光の照射・反射を利用し、クルマの自動運転にも用いられるリモートセンシング技術「LiDAR」により人や障害物をスイスイ避けての自律走行を実現。AI学習によりアームでボタンを押させることで、自動走行からの単体でのエレベーター移動もおまかせ…という、なかなかの優れモノだ。
リモート操作・アプリ連携による見守り・巡回は、働き手不足に苦慮する介護の現場を効率的にサポートできる。
このほか、カメラで仲介したヘルパーや家族との2WAYコミュニケーション機能などは、先日紹介した『ジャパン・ロボット』の”クンニャッパン”を彷彿させる。そもそも「アイオロス・ロボット」のフォルム、目と頭、アームの動きが親しみやすさを抱かせる。
「人が嫌がる仕事でも、ロボットは嫌がりません」
PRムービーのナレーションにもある通り、まさにこの部分を補ってくれる存在としては、とても理想的な介護ロボットではないだろうか。
容疑者は介護ロボット?
そんな「アイオロス・ロボット」が2年前にドラマ出演。重要な役どころを演じていた。6月16日(日)に最新章SPが放送される『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』。そのSeason 1の第1話で、「アイオロス・ロボット」は超高齢化介護社会に向けて開発された介護ロボット「LEO」を演じている。
ちなみに「LEO」は「Life Enjoy OMOTENASHI」の略だそう。
ーーなぜ最後だけ日本語?
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— パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜【ドラマ公式】 (@pandorano_ntv) April 23, 2022
第1話ゲスト #内田理央 さんと
AIロボット“LEO(レオ)”🤖
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今夜の1話では
ロボットのLEOが殺人の被疑者に‼️
AIロボット開発チームのチーフ
郷原美鈴(内田)が事件の鍵を握る⁉️#介護現場で実際に活躍#アイオロスロボット#演技初挑戦
👉https://t.co/ipJvGxsNiE pic.twitter.com/tJcoT08Pgz
「アイオロス・ロボット」演じる「LEO」はとある殺人事件で「私が殺しました」と自ら殺人への関与をディーン・フジオカ扮するエリート警察官僚・小比類巻に告げるーー。
その後「LEO」は、岸井ゆきの扮する天才科学者・最上の聴取(という名の挑発)を受け、実際に自らの判断で殺人衝動を起こすかを試される。この他にも関係者に足蹴にされたり、ある状況で湯気を立て熱暴走(もちろん物語上の演出)するなど、ロボットながらの体当たり演技を見せているから驚きだ。
設定・演出とはいえ、「介護ロボットが殺人」という展開で実在のロボット出演を快諾するというのは、ベンダー、メーカーにとってネガティブな誤解を生む恐れがある。そこをあえて出演・周知してもらう意味では、非常に英断ではなかっただろうか。
ストーリー的にもAI搭載ロボットを開発する側=人間の思いを掘り下げて、人間の安全性・命令への服従、自己防衛に関する「ロボット工学の3原則」(さらには某「ソードアート・オンラインの茅場晶彦的な着想)などを想起、考えさせられる展開だったので、良かったら配信などで一見を。
また、これは筆者の想像だが、そういう展開ゆえに、LEOが実際に介護を行うシーンを入れなかったのかな…という配慮も感じなくもない。
願わくば、今度は介護社会を明るく前向きに捉えたホームコメディなどで”演:アイオロス・ロボット”の活躍をみてみたい。もちろん本業での活躍も!