Blog

「付せんをカレンダーにしたらとんでもなく可能性が広がった」 2020年の推し文具「himekuri」開発秘話①

つばさです😉 

 2019年もあと1ヵ月。みなさんも来年のカレンダーを用意し始めるころですよね?
そこで、今回わたしも購入した卓上カレンダー「himekuri」を、思いっきり推しちゃいます!

f:id:sunsun-goods:20191128142838j:plain

このカレンダー、日付を確認するだけで終わらないスグレモノなんですよね……! そんな『himekuri』の溢れんばかりの魅力を、回を分けてお送りしますよ~! 

1.「himekuri」ってどんな文具?

 「himekuri」は、付せんタイプの卓上日めくりカレンダー。その特徴などは、10月に購入した際の記事をぜひ。

そして、今回は紹介動画もアップしちゃいました!

 ※動画提供:(株)ケープランニング

どうですか? 
とてもオシャレで、アイデアものですよね?

「日めくりで卓上サイズ」というだけならほかにもありそうですが、

  • カレンダーの用紙を、曜日日別にめくるデザイン
  • 用紙の地色が週代わりで「今日は何曜日?」がわかりやすい
  • カレンダーの用紙が「付せん」になるので、はがしたあとも活用できる
  • そもそもデザイン、絵柄がかわいい!

 などなど、そのアイデアに惚れてしまいまして……。

「どうやって思いついたの!?」

それが気になったわたしは、思いきって開発元にお話を伺うことに!

突然のお願いにご快諾いただいたのは、企画・販売元・(株)ケープラングの代表取締役・木下良さん。社長に直接、開発秘話を伺えるなんて…!

企業のトップですよ!

ボスですよ!

緊張するぅ…!

2.「himekuri」開発元に伺ってきました

こちらがケープランニング木下さん
緊張モードもどこへやら、なんでも教えてくださる超・超・気さくでフットワークの軽そうな方でした。

f:id:sunsun-goods:20191127222300j:plain

木下さん
「わたしが、紙を扱う弊社と、印刷会社の(株)カンベビジュアルの代表を兼ねていまして、刷り物を何か作ることはできるけど、アイデアがない…という問題に直面し……。7年ほど前にWEB上でデザインコンペを開催したんです。
デザイナーさん、クリエイターさんから集まったアイデアをFacebookで公開して、いちばん「いいね!」が集まったものを商品化します、と。そのなかで選ばれたアイデアが『himekuri』の原案でした」

 

――コンペを勝ち抜いたデザイナー、五十嵐里恵さんの原案では、

  • 全面貼りの付せんが7枚並んだ卓上カレンダー。
  • 付せんの色が一瞬間毎で変わり「色の変わり目が今日」だと分かる。

というアイデアがほぼほぼ固まっていたんだそう!

 

この、五十嵐さんの原案に近いものが「himekuri 白グレー」(写真は2019年版)

f:id:sunsun-goods:20191127203949j:plain

 はっきり「今日は3月12日、火曜日」と伝わって、実用性もバッチリですね!

 

木下さん
「オンライン販売で反応も上々。200~300個売れたんでですけど、その年1回でお蔵入りしちゃったんです」

――ええっ!? どうしてそんなことに?

木下さん
「原案は『付せんの添付面は全面貼り』だったのですが、その手法だとコスト高で、見積もったら売値が8000~9000円に膨れ上がって(笑)

  それで(メモブロックなどで上端のみ糊付けする)天糊で作ってみたら、粘着力が弱すぎて配送中に台紙から付せんが束で剥がれちゃったりして」

――それは確かに致命的…。

3.「himekuri」ブレイクのきっかけは?

――でも、そこからどう復活されたんですか?

木下さん
「何年かして、付せん業者の方とこの話をしたら『(付せんで安価に)できるかも』と販売再開の光がさしたんです。(業者さんとは)SNSとか朝活で知り合って…

――朝活されてるんですね! バイタリティがすごい…。どんな集まりなんですか?

木下さん
「文具好きの方々がワイワイ語り合う会なんですけど、『市場調査』と称して同業者が集まってくるんですよね(笑)

 ここで『ノウト』というメーカーの高木芳紀社長とも知り合いになって、『himekuri』再スタートの際に助けていただきました」

(ノウトさんについては、こちらの記事をぜひ)

――高木さんには、どんなことを助けていただいたのですか?

木下さん
「当初『himekuri』は白グレータイプの1色刷りのみで、高木さんと文具プランナーの福島槙子さんが『カラフルにしたら面白そう』と提案してくださっていたんです」

――ノウト(高木さん)提案のデザインは、こちらの「Colorkuri」

f:id:sunsun-goods:20191127153938j:plain

付せんがカラフルになって、文字周りもスタイリッシュというか、クリエイティブな雰囲気が醸されて…。

あ、
だから、カラ・クリ😳?

 

木下さん
「でも4色刷りって案外コスト高だし、そもそも売れる保証がなかったんです。
そこで、2人と『Colurkuri』などのバリエーションをクラウドファンディングに出品してみたら、目標額の300%以上も支援が集まったんです」

――売上保証の3倍返しーーー!!!

木下さん
「2人とも発信力のある方で、SNSで拡散してくださったんです。高木さんが『文具祭り』というイベントを主催されていて、ファウンディング開始を『文具祭り』の直後に設定して、上手に盛り上げてくれました。達成は2人とSNSのおかげです」

4.「himekuri」いま買えるシリーズは?

――アイデアも資金も集まった「himekuri」は、バリエーションを広げていくわけですね。

f:id:sunsun-goods:20191125193113j:plain

木下さん
「『白グレー』『Colurkuri』も合わせて、2020年版は8種類あります」

――ラインナップについて伺いたいのですが、先ほどから後ろの大きなねこの絵が気になって仕方なく……。

木下さん
『himekuri ねこ』の展示用パネルです(笑)。『ねこ』は福島さんのアイデアで、一週間ごとにねこが日本各地の名所を旅する絵を、文具紹介の連載などもされているイラストレーター、萩原まおさんに描いていただきました。
ねこ好きな方の引きもあって売れ筋No.1です。今年も発売開始早々、オンラインショップの在庫がはけちゃって…。いまは大丈夫ですよ!」

f:id:sunsun-goods:20191127161754j:plain

――これ、ヨコに絵が続いているんですね。旅するねこの絵がかわいい~! (岩手県の)小岩井農場を訪れて、南部鉄器を見て、わんこそばで締めくくり…。 

2020年度版himekuri (ねこ)

2020年度版himekuri (ねこ)

 

まさに「サザエさん」のオープニング風ほっこり旅!

木下さん
「『ねこ』とはまた違うかわいらしさと工夫が魅力なのが、こちらの『himekuri 切手』です。デザインコンペにも参加されたクリエイター、キタガワセイコさん発案です。
毎日『記念日』をモチーフにした切手風のイラストはストーリー仕立てで描かれているのですが、めくると続きが見られる趣向です」

f:id:sunsun-goods:20191127204048j:plain

  

――「ねこ」は横7枚で、「切手」は曜日毎でドラマになっているんですね。

 

 

来週もまた見てね!的、ナイス差別化。めくった付せんも、日記やスケジュール帳に貼って使えそう…!

木下さん
「Instagramなどで、みなさんいろいろな使い方で紹介してくださっていて、本当に驚きました。最近はバレットジャーナルに貼っている方も多いようです」

――バレットジャーナル
すみません。わかりません…(泣)。

f:id:sunsun-goods:20191127222356j:plain

木下さん
「私も福島さんに教えてもらったんです。こんな感じで自分でノートに線を引いて、その日のToDoなどを書き込んでいくそうです。その日書いたボリュームに併せて自由にカスタマイズされる人もいるみたいで、付せんを日付代わりに貼ったり…」

――おお~。付せんでノートが華やかに!

(あとで千駄ヶ谷さんから聞いた話、バレットジャーナルは自己管理や目標達成に優れた「箇条書き手帳」なのだそう。こちらの本が詳しく解説されているそうです。)

ロイヒトトゥルム1917ではじめる箇条書き手帳術  もっと自分を好きになる! バレットジャーナル完全ガイド

ロイヒトトゥルム1917ではじめる箇条書き手帳術 もっと自分を好きになる! バレットジャーナル完全ガイド

 

 

木下さん
「それから『himekuri TSUTSUMIGAMI』という2020年版からの新作があります。こちらは付せんに包み紙や紙袋、レターセット、紙箱などなど、おしゃれなビンテージ紙製品が描かれています」

f:id:sunsun-goods:20191127204244j:plain

―― 一気に大人な雰囲気のカレンダーに! よく366日分(2020年はうるう年)、絵柄が集められましたね?

木下さん
「フリーアナウンサーの堤信子さんのコレクションなんです。堤さんは文具にお詳しく、紙採集家としても知られていて、『マツコの知らない世界』に3回出演されました」

――……ガチの採集家さんじゃないですか!(著書も手がけられておりました…!)

堤信子のつつみ紙コレクション

堤信子のつつみ紙コレクション

 

しかも「TSUTSUMIGAMI」って、まさかダブルミーニング!?

 

木下さん
「堤さん、先日の特番に出演された際、マツコ・デラックスさんに『himekuri』を手渡してくださったようで、『アンタもあざといわね』とつっこまれたらしいです(笑)」

  

――それ、もしかしたら、マツコさんも来年から「himekuri」仲間かも!?

  

 

――話を聞いて、『himekuri』って携われているクリエイターさんも面白そうな方々ばかりな気がしてきました。

f:id:sunsun-goods:20191128142505j:plain

木下さん 
「一人ひとり、発信力があってファンもいらっしゃる。みなさんのご協力と、イベントや展示会での営業で、『himekuri』は何とか軌道に乗れたと思います」

――木下さん、イベントや展示会の営業のお話がまた興味深かったのですが、今回は(ちょっと長くなるので)ここまで!
後日、残りの『himekuri』(個人的イチ推しのモノなど!)の紹介と更なる秘話を交えた後編をお届けします!

5.「himekuri」ストア期間限定オープン!

12月6日(金)~12月30日(日)、ダイバーシティ東京(お台場)に「himekuri」ポップアップストアが期間限定オープンします! 詳しく後半&himekuri公式アカウントを参照ください~!

twitter.com

この記事を推す
LINEで送る
PAGE UP