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Deer Shock! Shock! Shock!
困ったチャンだけど愛おしい、鹿革ペンケースという相棒
北海道で巡り合えた、王道・定番から外れた逸品!
北海道に行ったとき、北海道といえば、熊でしょ(ヒグマ)、鹿でしょ(エゾジカ)、ってことで、いろんなお土産屋さんでソレっぽいのを探していたのだが、皆無。思い込みだったのね、と諦めていたら、ホテルのお土産コーナーに、ちょこっと置かれていたのが、このペンケース。あるじゃん!って手に取ると、柔らかくモチモチとした手触り。へー、これが鹿革なんだと驚いた。
50代に差し掛かると、これまでの経験と知識から、自分の選ぶものに対する基準が変わってくるもので、牛革や馬革のハードさとは異なる、何か新しい感覚が欲しいと感じることが増えてきていた。なので、この鹿革はドンピシャと言えばドンピシャ。表面のシボは存在感があり、光沢のないマットな質感も新鮮だった。
ただ、そのあまりにソフト過ぎる手触りにひ弱さを感じた。ちょっと不安……。なので、一緒に売られていた室内履きのスリッパも気にはなったのだが、ガシガシ履くには心許なかったので、今回はペンケースだけにしよう!ってことで購入。黒やこげ茶より、薄い色の方が革質が如実に表れるので、グレーにしてみた。渋い(^^)。
エーーーーと驚くほどに汚れが酷い!
自分はメモ魔(ノート魔)なので、A5サイズのノートとシャーペンが必需品。手元にノートとペンケースがないと、どうにも所在なさげで、あたふたしてしまうほど。例外なく、この鹿革ペンケース君も、カバンに放り込み、カフェでも、職場でも、家でも、ご飯食べなら、コーヒー飲みながら、と、ちょこちょこちょこちょこ大活躍だ。
なのだが、購入後、10日も満たない間に、すっかりシミだらけになってしまった。薄い色がここで仇になるとは(-_-; それにしてもシミが酷い…。
しょうがないので、洗うか!?と覚悟を決めたものの、このひ弱そうな鹿革、大丈夫かよ、と思っていろいろGoogleしてみたら、意外なことが分かってきた。
この染み、コーヒーはちょっと付いたような気がしたけど、ほかはナニ???
エーーーーと驚くほどにタフ過ぎる、その特性!
鹿革の特長は、その柔らかさと、耐久性。柔らかさは、レザーのカシミアといわれるほどで、あのソフトな手触りはナルホドと納得。でも、同時に耐久性が高いのにはびっくりだった。
同じ厚さの牛革や羊革よりも優れているらしい。鋭利なもの、硬いものには弱いのだが、革に柔軟性があるため伸ばしたりひっぱったりには強く、型崩れもしにくい。なので、日本最古の革製品として、奈良時代にまで遡ることが出来る。ヤワな見かけによらずタフな奴だぜ!
そして一般的に革製品は水が大敵なのだが、鹿革は耐水性も高い。革の繊維自体が非常に細かい(だから柔らかいのね)ので、吸湿性(吸水性)が高いのに、通気性もある。なので、水に触れても、排水しやすい構造なので、ゴワゴワと硬くなりにくいのも特長。
……ん?ってことは、と推測してみた。
色のついている水分、つまり珈琲とかジュースっぽいのが付くと、すぐに吸水はしますぅ! でも水分は通気性が高いので比較的すぐ乾きますぅ! そして色素だけ残りますぅ! それがこの染みの原因かよ! と判断した!
※検索ではあまり出てこなかったけど、たぶん、そういうことだと仮定。
まぁ、水に強いとのことなのと、洗うことにもそこまで気を使わなくても良さそうだったので、ジャブジャブと洗ってみた(写真)が、染みは取れずじまいでした。
※革の鞣しや製法にもよるんだろうけどね。
台所で優しく洗ってみた。濡れている間は汚れが取れたかどうかは判断付かず
モノの価値や魅力は、そのモノ側にあるのではなく、受け取り側が決めるもの
つらつらと鹿革のことを書き連ねてきたが、なんとも変な魅力をもった革チャンだなぁ。耐性面は強いけど、汚れに弱い。雑に扱っていいようで、繊細に気を使わないといけない、どっちなんだい!って心で叫びながら日々、触れている。
若い頃は、汚れや傷がつくたびに、それを避けるために大切に扱いすぎていたかもしれないが、まぁ汚れや傷は、物を使い込むことで生まれる「味」や「個性」として愉しむ余裕も出来たとしよう。そういう特性を大いに孕んだ鹿革のペンケースも、汚れや傷がつくたびに、それが自分だけの風合いになっていく過程を愉しんでいけばいいわけだ。「使いづらさ」さえも、50代の自分には愛らしく感じられるのです。
あんまり染みは落ちず( ノД`)シクシク… 油分が落ちたような気がしたので、革靴用のデリケートクリームとブラッシングを施す。なんか味が出て来て良い感じ(になったと思いません?)
北海道・登別では、入っている温泉の横やホテルの玄関にも野生の鹿が出没する。他の観光地ではたぶん切り落とされているであろう角が凛々しく恰好良い!