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GA4でGTMを使ってYouTubeの再生データを取得する設定方法
GA4でサイトに埋め込んだYouTubeの再生データを取得すると、「この動画をこれだけ見てコンバージョンしているなら商談がスムーズかもしれない」といった予測を立てたり、「この動画はほとんど再生されていないからページから削除しよう」といったサイトでの施策を実行することができます。
今回の記事ではそのデータの取得方法をご紹介します。
GA4でYouTubeの再生データを取得する方法はパターンがある
まずはじめにデータ取得のパターンをご紹介しますと、
①GA4の「拡張計測機能」を使う方法(ただし、YouTubeのJavaScript API サポートがONになっている必要あり)
②GTM(Googleタグマネージャー)を使う方法
の2つがあります。
①では、YouTubeをサイトに埋め込む場合、デフォルトではAPIがOFFになっており、動画ごとにONにするためにひと手間かかるので、今回はAPIサポートを一括でONにできる②のGTMを使う方法をご紹介します。
GTMで組み込み変数を設定する
まずはGTMで組み込み変数の設定をします。
GTMの左のメニューの「変数」をクリック。
組み込み変数の「設定」をクリック。何も設定をしていなければこんな画面が出てきます。
この画面の右側の部分をスクロールしていくと、「動画」という項目が出てきます。
その中にある、「Video Provider」「Video Status」などの「動画」関連の項目にすべてチェックを入れます。
右の画面を閉じると、組み込み変数の項目に今チェックを入れた項目が並びます。
これで組み込み変数の設定はOKです。
GTMでトリガーを作成する
次にトリガーの設定です。
GTMの左のメニューの「トリガー」をクリック。
トリガー一覧の画面で右上の「新規」をクリック。
一番上の項目に「YouTube計測」などの任意の名称を設定し、「トリガーの設定」をクリック。
右側に「トリガーのタイプの選択」が出てくるので、「YouTube 動画」を選択します。
トリガーは以下のような形で設定してください。
上記は一般的なものですが、「進捗状況」や「上級」の中の設定はサイトによって異なるかと思います。
※うまくデータの取得ができているのか確認するためには、この記事の下部で紹介している、GTMの「プレビュー」とGA4の「DebugView」を使いましょう
「上級」の中の「すべてのYouTube動画にJavaScript APIサポートを追加する」には必ずチェックをつけてください。
こうすることで、埋め込んである動画にJavaScript APIサポートの記載がなくても、GTM側でYouTube動画のJavaScript APIを一括でONにすることができます。
GA4の拡張計測機能の動画エンゲージメントはOFFにする
上の設定をGTMでした場合、GA4の「拡張計測機能」で提供されている動画エンゲージメントはOFFにしましょう。OFFにしておかないと二重計測が起こってしまうためです。(拡張計測機能をONにすると、GTMと同様の設定が自動で追加されてしまい、二重計測となります)
「拡張計測機能」の設定状況を確認する場合、GA4の左のメニューの「管理」からプロパティの「データストリーム」をクリック。
該当するストリームをクリックし、さらに拡張計測機能の設定をクリック。その中の「動画エンゲージメント」の項目をOFFにしましょう。
GTMでタグを設定する
トリガーができたらタグの設定に進みます。
タグの設定
GTMの管理画面の左のメニューから「タグ」を選択。
画面右上の「新規」をクリック。
上部にタグを判別しやすい名称(今回は「YouTube動画計測」)を設定し、「タグの設定」をクリック。
右側に「タグタイプを選択」が出てきますので、その中から「Google アナリティクス: GA4 イベント」を選択。
「設定タグ」にはアクセス取得で設定済みのGA4測定用のタグを入力します。
※設定していない場合、「設定タグ」の項目で「なし – 手動設定した測定ID」を選択し、GA4の測定IDを入力します。(GA4の測定IDは、GA4の左下の「管理」からプロパティの項目の「データストリーム」をクリックし、「ウェブストリーム」に表示されている「測定ID」(G-0000000000のような値)から確認できます)
「イベント名」は「video_{{Video Status}}」とします。
イベントパラメータは以下の画像のように設定します。
※これが上述したGA4の拡張計測機能の計測と同じ設定をGTMでしているイメージです
保存の前に、同じ画面の下部にあるトリガーを設定します。
※上で設定したイベントデータを、このトリガーの条件を満たしたときにだけ送信しますよ、と設定するイメージです
タグ内のトリガーの設定(作成したトリガーの選択)
「トリガー」をクリックし、トリガーの選択画面で先ほど作成した「YouTube計測」のトリガーを選択します。
設定が完了したら右上の保存ボタンをクリックしましょう。
タグが問題なく動いているかを、GTMの「プレビュー」とGA4の「DebugView」で確認しましょう
GTMの画面の右上にある「プレビュー」をクリックします。すると、Google Tag Assistantのタブが立ち上がります。
「Your website’s URL」の項目に、タグの検証をしたいサイトのURLを入力し、「Connect」をクリックします。
そうしますと、さらに新しいタブでURLを入力したサイトが開かれ、ページの右下にTag Assistantが表示されます。このタブで、YouTube動画の入っているページを開いておきます。
これと合わせて、GA4のDebugViewを開きます。
GA4の左のメニューの「管理」から「プロパティ」の項目の中の下の方にある「DebugView」をクリック。「DebugView」のページが表示されます。
そして先ほどTag Assistantのタブで表示しておいたページで動画を再生してみましょう。
するとDebugViewのページで「video_start」が表示されます。※リアルタイムというよりは、ややタイムラグがあります
動画の再生を続けると「video_progress」や動画を見終わると「video_complete」の表示が出てくるはずです。
さらに「video_progress」などのイベント項目をクリックすると、先ほど登録したイベントパラメータが表示されます。
例えば、以下の画像の場合は、「video_percent」が75なので、動画を75%まで再生した状態であるということが分かります。
これらの状況が確認できたら、設定はOKですのでGTMでタグを公開しましょう。GTM右上の「公開」をクリックです!
GA4でカスタムディメンションを設定する
レポートでこれらのデータを表示させるにはGA4でカスタムディメンションを設定しましょう。
GA4の左のメニューの「管理」をクリック。プロパティの項目の中の「カスタム定義」をクリック。
右上の「カスタムディメンションを作成」をクリックし、動画関連のカスタムディメンションを登録します。(ディメンション名、説明は任意のものを使ってください。説明はなくてもOKです)
これらを設定することで、GA4の探索レポートでも動画再生のデータを確認できるようになります。
動画の再生データを取得して、レポートに表示し、施策につなげましょう。
弊社ではGA4について、月に5社様限定でZoomでの30分無料相談を行っております。疑問などがありましたらこちらからお気軽にお問い合わせいただければと思います。